仲介とどう違う?不動産買取の仕組みと意外な落とし穴を解説

仲介とどう違う?不動産買取の仕組みと意外な落とし穴を解説

不動産の売却方法には、「買取」と「仲介」があり、それぞれに仕組みと特徴があります。

それらの違いを理解しないままだと、後悔してしまう結果に繋がるかもしれません。

この記事では、不動産買取と仲介の違いや、それぞれのメリット・注意点を解説します。

不動産買取と仲介の違いを知ろう

不動産買取と仲介の違いを知ろう

買取と仲介の基本的な仕組みの違い

不動産の売却には、「買取」と「仲介」の2つの方法があります。
買取とは、不動産会社が売主から直接物件を購入する方法であり、仲介とは、不動産会社が第三者(購入希望者)との売買を仲立ちする形式です。
両者の大きな違いは、取引相手や契約の主体、手続きの流れにあります。
買取では、売却先が最初から不動産会社に決まっているため、交渉相手は一社のみです。
一方で仲介は、購入希望者を探して物件を紹介し、内覧や条件交渉を経て売買契約を締結します。
このため、契約までのプロセスや期間も異なります。
また、売却活動の主体も異なります。
買取では不動産会社がリスクを背負って物件を取得するのに対し、仲介では売主が主体となって売却活動に関わる必要があります。
したがって、売却のスピード感や労力のかかり方も異なります。
自分の状況や希望に合った方法を選ぶためには、こうした仕組みの違いをしっかり理解しておくことが重要です。

売却スピード・手間・手数料の違い

不動産を「いつまでに」「どれだけ手間をかけずに」売却したいかによって、買取と仲介のどちらを選ぶべきかが大きく変わってきます。
たとえば、急な引っ越しや資金需要がある場合は、スピード重視の買取が有利です。
条件次第では、査定から契約、引き渡しまでが1週間以内に完了するケースもあります。
対して、仲介による売却では、購入希望者が現れてからの交渉やローン審査などに時間がかかることが多く、完了までに3か月以上要することもあります。
また、仲介では物件の広告掲載や内覧の対応、価格交渉など売主の対応が求められる場面が多く、精神的・時間的負担も大きくなります。
手数料の面でも違いがあります。
仲介では、売却価格に応じて最大3%+6万円の仲介手数料が発生します。
一方、買取では買主が不動産会社であるため、原則として仲介手数料は不要です。
ただし、業者によっては諸経費を含む条件提示をする場合もあるため、契約前に確認することが大切です。
さらに、仲介では売却期間中に価格の見直しが必要になることもあります。
市場の反応を見ながら販売戦略を変える必要があるため、時間がかかる場合も少なくありません。
こうした点からも、自身の売却目的に合った方法を慎重に選びましょう。

売却価格における違いとその背景

売却価格は、不動産を手放す際に最も重視される要素の一つです。
一般的に、仲介で売却する場合の方が、市場価格に近い価格で取引が成立する傾向があります。
これは、買主が一般消費者であるため、物件の魅力を直接評価してもらえる可能性が高いためです。
一方、買取では、不動産会社が物件を仕入れた後に再販売することを前提としています。
そのため、買取価格は市場価格の7〜9割程度に抑えられることが多くなります。
差額の背景には、業者が再販のためにリフォームを行う費用や、在庫として抱えるリスク、さらに利益確保の必要があることが挙げられます。
たとえば、古い設備や劣化のある物件では、買い取り後のリフォームに大きな費用がかかる場合があります。
また、物件の流通性が低いエリアでは、再販売に時間がかかる可能性もあるため、買取価格がより低く見積もられることもあります。
これらの要因を含んだ価格設定になることを理解しておく必要があります。
ただし、買取価格の低さは、売却までのスピードや手間が省けることへの対価とも捉えることができます。
多少価格を下げても早く売却したい、あるいは煩わしい手続きを避けたいといったニーズには合致します。
そのため、価格だけにこだわらず、全体のバランスで判断する視点が大切です。

不動産買取のメリットと適したケース

不動産買取のメリットと適したケース

短期間での売却と現金化が可能

買取の最も大きなメリットは、短期間での現金化が可能な点です。
契約成立から数日以内に代金が支払われるケースもあり、急な資金ニーズに対応しやすくなっています。
たとえば、転勤や離婚による住み替え、相続による資産整理、あるいは債務整理など、早急に現金を必要とする場面では、買取の柔軟性が大きな助けになります。

契約不適合責任の免除など心理的負担の軽減

一般的に買取では、売却後に設備の故障や不具合が見つかっても、売主が損害賠償責任を負う必要がないケースが多くなっています(契約不適合責任の免除)。
これは仲介による売却と比較して、売主の心理的な負担を大きく軽減する要素です。
とくに、高齢者や遠方に住む相続人など、物件の現状管理が難しい場合には安心して売却できます。

周囲に知られずに売却できる安心感

もう一つのメリットとして、売却活動が非公開で進む点があります。
仲介では広告掲載や内覧対応が発生するため、近隣に売却が知られてしまう可能性があります。
しかし買取では、そのような活動が不要で、静かに売却を完了することが可能です。
近隣との関係やプライバシーを気にする方にとっては、大きな安心材料となります。

不動産買取のデメリットと注意点

不動産買取のデメリットと注意点

仲介より価格が下がる理由とその仕組み

前述のとおり、買取では一般的に売却価格が市場価格よりも低くなる傾向があります。
その理由は、不動産会社が買い取った物件を再販売する前提であるためです。
再販時に必要となるリフォーム費用や広告費、売れ残りリスク、さらには利益分を差し引いた価格での買取となります。
これらのコストが事前に反映されているため、価格差には一定の合理性があります。

買取不可物件や悪質業者のリスクとは

すべての物件が買取対象になるわけではありません。
たとえば、再建築不可の土地や、権利関係が複雑で登記に問題がある物件などは、買取を断られるケースもあります。
また、市場価格を大きく下回る金額を提示し、早急に契約を迫るような悪質な業者も存在します。
そのため、業者選びには慎重になる必要があります。
口コミや評判、免許番号の確認、実績の確認など、信頼性を確認する手順は欠かせません。
相見積もりを取ることで、相場感を把握したうえで冷静な判断を下すことができます。

買取の失敗を防ぐための事前準備と対策

後悔しない買取を実現するためには、いくつかの事前準備が重要です。
まずは複数社から査定を取り、適正価格の目安を把握しておきましょう。
また、不動産登記の確認や現況調査も前もって行っておくと、スムーズな査定や売却につながります。
くわえて、信頼できる不動産会社かどうかを見極めることも不可欠です。
免許番号の有無、過去の取引実績、査定時の対応や説明の丁寧さなどを総合的に評価し、信頼できるパートナーを選びましょう。

まとめ:買取と仲介の特徴を理解し、自分に合った売却方法を選ぼう

不動産買取は、短期間で売却でき、手間が少なく、心理的な負担も軽いというメリットがありますが、売却価格が抑えられるというデメリットも伴います。
一方、仲介は高値での売却が期待できる反面、時間や手間がかかり、トラブルのリスクもあります。
売却の目的や状況に応じて、どちらが適しているかを冷静に判断することが重要です。
また、複数社に相談し、専門家の意見を取り入れることで、より納得のいく売却が可能になります。
不動産売却を成功させるためには、情報収集と準備が何よりも大切です。

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